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思いも寄らない副作用 サプリメント 1 |
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サプリメントと言う言葉は今やすっかり定着し、日本のサプリメントの市場規模は年間数千億円となっています。97年に始まった規制緩和も手伝って、ビタミン、ミネラル、イチョウ葉などのハーブ類約200種類が、食品と明示し、効能・効果をうたわないことを条件に、錠剤のような形状で市販できるようになりました。
医師は今までそういったサプリメントに対して無関心であることが多かったのですが、医薬品と区別されているとは言え、患者さんが常用しているサプリメントの有無について無視できない状態になってきました。サプリメントと常用薬の相互作用、もしくはサプリメントそのものによる副作用が少なからず認められるからです。
ともあれ、何かと慌ただしく不規則な生活を強いられる現代人にとって、サプリメントは使い方次第では、健康管理の補助的手段として、便利な物であることは間違いありません。
今回は、正しいサプリメントの知識についてお届けします。
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私たちの体は、毎日の食事から得られる栄養素により、生命維持を行っています。しかし、レトルト食品やインスタント食品の摂取、不規則な食事などが珍しくない現代生活の中では、様々な栄養素を的確に摂ることが困難になりがちです。
栄養素が足りない状態が続けば、体の方も様々な症状を出したり、病気にかかりやすくなることがあります。毎日の食事で不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養素を補うための食品を"サプリメント"といい"栄養補助食品"とも呼ばれています。サプリメントは英語で"補給"という意味です。
サプリメントは、食品から抽出した天然成分のものもあれば、化学合成されたものもあり、俗に"健康食品"とは呼ばれていても、絶対に副作用がなく安全と言い切れる物でもありません。必要な栄養素は、適切な食事から直接摂ることが一番であることは言うまでもありません。
医者の処方する医薬品と、食品に分類されるサプリメントのまず一番の大きな違いは、その効果の証明され方にあります。医薬品が認可されて世間に出回るまでは "クスリについてのあれこれ"でも述べたように、いくつもの大規模な研究を経て、様々な角度から効果と安全性の検討を重ねた上での評価になります。
サプリメントでは、科学的評価に耐えうるデータがあるものはごく一部で、その効果も安全性も、ある意味では不確実です。確かにある一定の根拠が認められるサプリメント、薬の代わりに慎重に投与したところ、少なからず効果が認められたというサプリメントも一部ありますが、全体としてはデータ不足であることは否めません。さらに、メーカーがスポンサーになっている臨床研究(作為的ではなくても、ひいきめな結果がでやすい)であったり、長期投与の研究結果がなかったり、品質や成分の含量が一定でないなど、万人に投与して有効、かつ安全という保証がないということです。
サプリメントの中でもいくつかの分類があります。
ビタミンやミネラルのように医薬品としても使われている物は、ヒトへの生理的な作用や、ある一定以上での有害作用が明らかですから、特に栄養機能食品として分類されています。
それに対して、ハーブ類の血圧、血糖、コレステロールの低減など生活習慣病に対して、予防的作用が期待されるような物に関しては、一部の研究者を除いて一般の医師や薬剤師が十分に把握しきれていないのが実体です。なにしろ、例えば赤ワインに含まれるポリフェノールの様に、その一部が抗酸化作用をもち、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を抑制するというメカニズムがある程度証明されているものから、試験管内での実験レベルで効果が認められているにすぎないもの(例えば培養癌細胞レベルで効いた薬が人間の癌に効く可能性は1%以下)までおびただしい数の商品が流通しているからです。
同時に、医薬品と同じ様な働きをする成分が含まれていることもあり、(医薬品と違って診察なしで服用するわけですから)思いもよらぬ副作用を認めたり、常用している医薬品との相互作用を認めてしまったりといったことも少なくありません。
サプリメントには私たちのより健康になりたい、生活習慣病を予防したい、果ては寿命までも延ばしたい、という希望がこめられた食品であると言えますが、まずは効果よりも安全性に目を向け、自分の食生活を振り返って、どの栄養素を補うべきかを適切に判断することで、より有効に利用できると思います。
ハーブ類については、現在効果の表示の仕方や製造基準の明確化などについて検討されている状態です。
食事から摂る栄養素が理想とは言っても、現代の生活環境において、食事だけから有効量を摂るのはなかなか困難で、それを手軽に実行できるのがサプリメントの特徴です。しかし、通常の食事から摂った場合と、サプリメントからでは、同じ量でも効果が異なることがあります。例えば、ミネラルのマグネシウムを、食事による摂取の上限値までサプリメントでとろうとすると、下痢を起こしてしまいます。
また、一部のビタミン類やミネラルは過剰症をおこすことがあるので、最適な摂取量を確認することが大切です。とは言え、おのおのについて、食事自体からどれくらい摂れているのかも知っていなければいけないので、なかなか難しいものです。
サプリメントの表示によく"天然成分ですから、副作用の心配はありません" といった表現を認めますが、天然であるから副作用がないというのは、全く誤りです。私たちの体内にあるホルモンなども"天然"と言えますが、外から過剰に摂取すれば、体内のホルモンバランスが崩れて有害ですし、トリカブトやフグの毒性などを挙げれば、天然というだけで安全とは限らないことが、お分かり頂けると思います。
病気や健康に関する情報は白黒つきにくいものです。これを無理にどちらかにしようとすると、うそや間違いになってしまうのです。
本来、サプリメントは"クスリはなるべく控えた方が良いから、クスリの効果を自然の食品から得るようにしよう"という目的もあります。しかし、サプリメントが全て自然食品から抽出されているとは限らず、リスクをかけて化学合成物質を服用している、ということにもなりかねません。あくまでも、"補助食品"であること、本来は、食事から摂るべきであることという認識をもったうえで、自分に必要なサプリメントを選ぶことが、健康の秘訣と言えるでしょう。